「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」

薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の改訂で2021年8月1日から「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の認定制度が開始されます。

調剤して説明もしてくれなく薬を渡すだけの薬剤師がいたり、薬剤師が全く相談にも乗ってくれない、質問しても回答が返ってこない、薬は必要なのでいきたくない薬局で仕方なしに薬をもらっているなど、不満を経験された患者様も多々いらっしゃるかと思います。

薬剤師の目から見ても何時から何時まで働いて仕事は終わりや、全く研修や自己勉強もせず、資格を持ってるから働けている薬剤師も正直沢山見てきました。

勿論、患者様だけでなく厚生労働省も少なからず医療では無く、利益中心の運営をしている薬局や薬剤師が存在することを把握し、近年、薬剤師と薬局のあり方への見直しに向けて色々な施策を展開しており、少しずつではありますが効果は出ていました。

病院内薬局の薬剤師の業務内容も昔は調剤して番号を表示し薬を渡すだけというところがほとんどでしたが、現在は病棟の患者さんのそばに行き(病棟業務)、患者さんの薬学的知見から病気の改善に向けた対物から対人へと仕事内容が変わっています。

ここで2つの法律ですが

薬剤師法 第19条 、医師法 第22条のように調剤をする事は薬剤師の権利となっていますが権利だけで、実情は医療とは程遠い仕事をしていたのが今までの薬剤師の現状だったのではと思います。

近年(10年くらい)では薬剤師資格を持った薬剤師が(がん専門や糖尿病専門など)、薬剤師向けの認定資格ができ、認定資格を持った薬剤師が増え、薬学生も4年制から6年制と変わり、当薬局でも薬学生を大学よりお預かりし実務実習の指導をしていますが、薬学生の知識、勉強量には敬意を払うくらいです。

今回の『地域連携薬局』『専門医療機関連携薬局』の認定制度は全国の薬剤師が医療従事者として、薬局が医療機関として生き残れるかのふるいにかけられている施策に今後なっていくと考えています。

患者様が住み慣れた地域で様々な療養環境(外来、入院、在宅医療、介護施設など)を移行する場合や、いくつかの疾患があり多剤を服用している場合であっても、患者様に適した安全かつ有効な薬物療法を切り目なく受けられるのではないかと期待されています。

その中で薬剤師は専門的な知識を医師、看護師など医療従事者やケアマネジャー、介護士などの介護従事者に正確かつ的確に問題点も含めて伝えていくことが必要となってきます。

どちらかの機能に満たないところは10年以内に存続出来なくなるのではないかと思っています。

バイアル調剤薬局、データ・ボックス薬局共に高度医療機器販売業の許可証を取得次第、先ずは地域連携薬局(今後専門医療機関連携薬局も)の申請をしようと考えていますが、認定されるには都道府県知事により薬局単位で認定を受ける必要があり、薬局の構造設備、他の医療機関への情報共有ができる体制、調剤及び薬剤・医療機器の販売業務体制、無菌製剤を調剤出来る体制、居宅(在宅)等における調剤及び指導を行う体制に加え、薬剤師の継続した研修が必要となります。

特に薬局で従事している薬剤師全員が学び、専門的な知識をもって多職種と連携するということが重要な制度となっています。

調剤薬局のあり方を大きく変える可能性のある本制度は、患者さま自身による自発的な薬局の選択を促す点においても今後注目を集め、数年後には薬局という存在が患者様にとってなくてはない存在になればと思います。

院内で薬をお渡ししているクリニックでも今後は薬剤師が働き手として採用され、患者さんに対して薬学的な知見から指導健康相談が出来る医療環境になってくれればと思います。